■第三話<化鳥> -1- 「その時私は、何故か知りませんが 物凄い嫌な予感がしました。 おそらく、噂のトンネルが近くなってきたからでしょう。」 ここは琴和の部屋。 彼は今、テレビを見ながら固まっている。 何故なら見ている内容は、心霊体験の番組。 櫻子の事もあり、何か参考になることがあるのではないかと思い 2時間スペシャルを見ているところだ。 これは実体験を基にしてドラマを作っている。 本物の幽霊を見た琴和にとっても 演出が凝っているため、恐怖心が湧き上がってくるものだった。 「トンネルに入ると、私はあまりにも不気味だったので スピードを上げました。 直ぐ抜けたいからです。 ですが中々トンネルを抜ける気配がしません。 おかしいなと、思ったときのことです。 バックミラーにふと目が行くと 後部座席に髪の長い女性の姿が・・・。」 大きな効果音と恐怖心を倍増させるような音楽が鳴った途端に 幽霊がアップの画面に切り替わる。 番組の会場もヤラセの悲鳴で余計に 恐怖を盛り上げたその時・・・ 「おだわらさぁ〜ん・・・」 「●×▲□@#&%☆!?!」 琴和の背後から静かに櫻子が現れる。 そして声にならない叫び声が建物中に響き渡った。 次へ▼ |
■戻る ■TOPへ |